common time共有~文化・芸術~

3学期のcommon timeは、「芸術・文化」をテーマにスタートしました。

2学期の「まち」で、子どもたちは自分たちが暮らす場所は、誰かが用意してくれるものではなく、自分たちの関わり方次第で変わっていくということを体感してきました。

3学期はその延長として、自分たちの「好き」「やってみたい」から生まれる表現や活動が、やがて文化になっていくことを伝えていきたいと考え、common timeの活動に取り組みました。

導入となるマスター回には、イラストレーター・映像作家として活躍するクリエイターのしづさんをお招きしました。作品づくりの裏側や、完成までに長い時間をかけた経験、表現に向き合う姿勢など、リアルなお話をしていただき、子どもたちは「形にしたい気持ち」の大切さに触れました。文化は特別な人がつくるものではなく、日々の挑戦と積み重ねから生まれるもの。私たち民間学童commonらしい文化が育っていく3学期が、ここから始まります。

2.月曜日(コミュニティ)

月曜日の「コミュニティ」では、自分たちが暮らす流山で、文化を受け取り、そして新しく生み出していく経験を重ねました。前半は流山本町をバーチャルで巡り、切り絵灯篭や万華鏡、小林一茶の俳句といった、この街に根付いてきた文化に触れました。子どもたちは「昔からあるもの=難しいもの」ではなく、「誰かの工夫や想いが積み重なって今に残っているもの」として文化を捉え始めていました。ハサミを使った切り紙や鏡を使った実験、言葉で表現する川柳など、実際にやってみることで、文化を自分事として感じる時間となりました。
後半は視点を私たちおおたかの森にある民間学童commonに移し、「では、私たちはどんな文化を大切にしていきたいのか?」を考えました。詩「それもいいね!」を読み解き、言葉に込められた意味を対話しながら受け取り、MV制作にも挑戦しました。違いを認め合うこと、誰かの挑戦を応援すること、一緒につくる楽しさ——そうした日々の関わり方そのものが文化になる、というメッセージを体感的に学んだ月曜日となりました。

 

2学期から取り組んでいるタウンミーティングも定期的に開催し、自分たちの意見が取り入れられてハード・ソフト両面での「場」が作られていく体験にも継続的に取り組みました。

3.火曜日(アート)

「アート」では、2人の偉大な芸術家・草間彌生とサルバドール・ダリの表現手法を体験する活動に取り組みました。ねらいは、作品を「見る」「知る」だけで終わらせるのではなく、アーティストがどのように世界を捉え、どんな方法で表現してきたのかを、自分の手と感覚を通して感じることです。
前半は草間彌生の作品に注目し、網目模様やドットといった特徴的な表現を、ペンや絵の具を使った制作を通して体験しました。細かな線を描き続ける子、直感的に大胆な模様を描く子など、取り組み方はさまざまで、自分なりの集中の仕方や表現が自然と現れていきました。「上手に描く」ことよりも、「やり続けること」「没頭すること」そのものに価値がある時間でした。
後半はサルバドール・ダリの世界観を入口に、コラージュ制作に挑戦しました。夢と現実が入り混じるような不思議な作品に触れながら、自分自身がその世界の中に登場する写真素材を撮影し、物語を想像しながら一つの作品を完成させました。正解のない表現だからこそ、子どもたちは戸惑いながらも、「こうしてみたい」「これを入れたら面白そう」と、自分の感覚を頼りに試行錯誤していました。

火曜日の活動を通して、commonでは自分らしさを素直に表現することを大切にする文化を、子どもたちと一緒に育んでいきたいと改めて感じる曜日でした。

 

4.水曜日(グローバル)

3学期の水曜日は「グローバル」をテーマに、新しい若者文化から世界の多様な文化までを行き来しながら、海外の価値観や表現に触れる活動を行いました。

前半はSNSや動画を中心とした現代の映像文化に注目し、絵文字の歴史や、世界でバズっている動画チャレンジに取り組みました。ポケベル時代からスマホ文化への変化をたどりながら、子どもたちは「伝えたい気持ちに合わせて表現が進化してきた」ことを体感しました。また、世界で流行している動画を実際に再現・制作することで、「なぜ面白いのか」「なぜ世界中の人が楽しめるのか」を考える視点も育っていきました。

後半は視点を広げ、世界のあいさつや色の捉え方など、国や地域による文化の違いを体験しました。恥ずかしさや違和感も含めて楽しみながら、「自分の当たり前は、世界の当たり前ではない」ということを実感する時間となりました。

水曜日の活動を通して、commonでは世界にはまだ知らない文化がたくさんあるからこそ、知ろうとする姿勢を大切にする文化を子どもたちと一緒に育てていきたいと感じました。

5.木曜日(サイエンス)

「サイエンス」では、古代文明の知恵と工夫から、科学の原点に触れる活動を行いました。

扱ったのはエジプト、メソポタミア、インダス、ローマ、インカといった文明が生み出してきた「はかる文化」です。水平や長さ、重さ、数、距離といった概念は、すべて現代では当たり前のものですが、その一つひとつは、便利な道具のない時代に人々が試行錯誤を重ねて生み出してきた成果です。
活動では、ホースと水を使った水平測定や、エジプト紐による長さと形の探究、天秤や倍数の錘を用いた計算、ローマのオドメーター再現、インカのキープによる情報記録などを、すべて体験を通して学びました。思い通りにいかず苦戦する場面も多くありましたが、「どうしたらうまくいくのか」を仲間と考え、試し、失敗し、もう一度やってみる姿が多く見られました
古代の人々もまた、同じように悩み、工夫しながら社会を支えてきたことを実感することで、子どもたちは科学を「教科」ではなく、「人の営み」として捉え始めているように感じました。

木曜日の活動を通してcommonでは、やってみないと分からないからこそ、試行錯誤を楽しみ続ける文化を大切に育てていきたいと考えています。

6.金曜日(キャリア)

3学期の「キャリア」では、芸術や文化に関わる多様な大人の生き方に出会い、興味の幅を広げる時間を大切にしました。

アート、音楽家、和装文化の担い手、海外で活用するクリエーター、大塚製薬などの企業で食文化に携わる方など、分野も背景も異なるゲストから直接お話を伺いしまた。子どもたちは、仕事内容だけでなく、「んぜその道を選んだのか」「普段どんな暮らしをしているのか」「楽しいことだけでなく、大変あことうは何か」といったリアルな側面に強く惹きつけられていました。

大学のキャンパスや海外のアトリエ、ステージ、着物の構造、アプリ開発の裏側など、普段の生活ではなかなか見えない世界を覗くことで、「仕事」や「表現」が一気に身近なものとして立ち上がっていきます。また、実演や体験を通じて、「観る」「聴く」だけでなく、自分なりに感じ、考え、問いを持つ姿が多く見らるようになりました。

金曜日の活動で大切にしたのは、「今すぐ将来を決めること」ではありません。いろいろな人の考えや生き方に出会い、「こんな世界もあるんだ」「もうちょっと面白そう」と感じる種を心の中に残すことです。commonではこれからも、一人ひとりの好奇心が広がり続ける環境を大切に育んでいきたいと考えています。

7.まとめ

3学期のcommon timeは、「芸術・文化」をテーマに活動を重ねてきました。2学期の「まち」では、自分たちが暮らす場所は与えられるものではなく、関わり方次第で変わっていくことを学びました。3学期はその延長として、「文化もまた、誰かが用意するものではなく、人の営みと積み重ねによって生まれるもの」であることを、子どもたち自身の体験を通して考えていく時間となりました。

これら全ての活動に共通していたのは、「正解を知る」ことよりも、「感じ、考え、やってみる」ことを大切に組み立てたことです。

文化は特別な人だけがつくるものではなく、日々の小さな選択や行動、誰かを思いやる姿勢の積み重ねによって育っていきます。

3学期を通して、子どもたちは自分自身もまた、街やコミュニティ、文化をつくる一人称であることを、少しづつではありますが、原体験として残ってきているように感じます。

民間学童commonでは、これからも、子どもたちの「好き」「やってみたい」を起点に、一人ひとりの中にある文化の芽を大切にしていきたいと考えています。